私はモラハラされていた?!
円満調停の第一回目は1か月後。
子の面会交流調停を起こしなさいと言ってから、何もアクションを起こさなかった夫。
家裁から通知が届いた夫は慌てたように代理人を付けた。
夫に捨てられ、惨めでみじめで、親兄弟と限られた親友にしか話せないこと。
強力な味方は、I弁護士と、ペアのT弁護士だ。
相談の時からI弁護士は、夫が圧倒的に不利なこと、『大丈夫だから!』と言ってくれていた。
第一回期日で、夫は何を主張してくるのか。
こちらは円満
むこうはNOというだろう、なら、なぜ?離婚?なぜ離婚したいのか?
私のスケジュールと気持ちを聞かれた。
『今、絶対に不倫しています。3年前と同じセリフで私を責め立てました。でも今の不倫は暴けません。ただし、3年前のYを相手取り、とことんやります。離婚せずずっと別居でいようと思いましたが、もう夫の姓を名乗るのも嫌です。一刻も早く、この夫との縁を切り、新しい人生を始めたい。』
調停は様子をみて2回。
そのあと、不成立にして、離婚裁判を起こす。
そして私は夫から4月に手渡された『愛着障害』の本を取り出した。
「3年前の不倫の時も、私の人格を全否定され、私への気持ちが’ わからない’ といいました。今回も、出ていく前半年にわたり、私のやることなすこと、過去の発言をいちいち引き合いに出し、『お前は10年前に〇〇と言った、傷ついた、云々、』責めました。こんな本を渡されて、私が否定できないことを知りながら、「幼少期の悲しい体験のせいでちなつの性格が歪んだのではないか、」と黙らせ、『ちなつの性格が我慢できないから、黙って出ていくしかなかったんだ』と、私の責任で自分が出て行ったと言っています。」
『それねー
立派なモラルハザードだから!』
『よくあることです、調停員もわかっていますよ。』
え?自分がモラハラされ、洗脳されていたなんて!!
I弁護士はまた言った。
『言ったでしょう。旦那は地獄列車に乗っているんだから』
「先生、私みたいに、夫に捨てられたひと、いますか・・・?惨めでみじめで、人生を呪うんです。」
「いでぐちさん、いますよ、そういう奥さん。人は表面で見えないだけで、みんな何かしら背負って生きています。あなただけではありませんよ。」
心の奥から力が湧いてくるような感覚を覚えた。
その打ち合わせの日から、私はだんだんと泣かなくなった。
もう、ツクツクボウシが鳴き始めた夏も終わりのころだった。