後悔
みいなとあいこがパパと面会してから、どうしようかと考えていたことがあった。
アパートもわかる、行ってみようか。誰かが出入りしているのを偶然見るかもしれない・・・
行こうと思ったり、もうどうでもいいや、と思ったり決めかねていた時、横浜方面に行くことがあった。
「行くなら、今日の帰りしかない・・・」
念入りに最終電車をしらべ、用事が終わった後、夫のアパートに向かった。
最寄り駅に着き、ドキドキしてきた。
夫はどんな腹黒い気持ちでこの駅を毎朝使っているのか。
清々したと、己の正しさに酔いしれているのか。
どんな面をして人に会っているのか・・・
時間は夜10時半。駅からすぐの新築アパート。
102号室には締め切ったカーテンから明かりが漏れていた。
居る。
洗濯物をみるが、暗くてよく見えない。
ドアの前に行って、ドアポストを開けると、クーラーの冷気と明かりが見えた。
意を決して、インターホンを鳴らした。
その瞬間、すべての明かりが消えた!
居留守を装っている!
絶対に怪しい!!誰かと居る!!
ドアの向こうに私を苦しめている憎き夫と不倫女がいるのに・・・何もできないなんて・・・自分の無力さと、来たことの後悔で、また胸が苦しくなった・・・
来るんじゃなかった・・・
そのパパの態度を見たみいなとあいこも、帰りは黙りこくっていた。
機嫌が悪くなるくらいなら・・・わかっていたのに・・・
真っ黒の夫。
何も話し合いもせず、「ちなつが怖くて話せなかった」と私を愛着障害だと悪者にし、周りに触れ回っている夫。
私の結婚した人はこんな人だったのか・・・
嘘だらけの上に、知る必要のない嘘が降ってきて、どう心の折り合いをつけていいかわからない、ドロドロの感情からぬけられない。助けて。