こどもの第六感
夫が一方的に出て行って、残された私と娘二人。
夫が言葉尻をとらえて食って掛かっていた時は、それなりに口論があり、娘たちはそのたびに、まずまずい、と、自分たちのやるべきことを、ささっと済ませ、部屋で静かに遊んでいた。
あまり派手な夫婦喧嘩は見せたつもりはない。
今思えば、子供たちの発言には、『何かを感じ取っているかのような・第六感』的なものがあった。それを紹介したい。
夫が私によそよそしくなった3月以降、みいなが、『みいなパパと寝たい~』といって、夫婦で寝ていたベッドでパパと寝たがるようになった。すると、あいこも負けじと『私も!!』そこで、火曜日と金曜日だけ、みいなはパパと一緒に寝ることになった。
今までそんなこと、一言も言わなかったのに。
夫が出て行ったあと、みいなに聞いた。
「パパが様子がおかしいこと、気づいていて、一緒に寝たいなんて言ったの?」
みいなはキョトンとしていた。
もう一つは3年前。
広島で、不倫発覚する前、口を開けば夫が私を責めてせめて、まるで生きている価値がないような、妻としても母としても人間として最悪だ!と言わんばかりに責め立てていたころ、
私は家族での夕食の食卓でもしょんぼりしていた。
そんな中で、当時4歳のあいこが舌っ足らずにパパとママにこういった。
「ねえね、ごはん食べたらさ、みんなでさ、手てつないでさ、お散歩しよ~」
今思い出しても、私は泣けてくる。
無邪気に笑うあいこ、本当はすべてお見通しだったんじゃないかな。
その日の夜、約束通り、あいことみいなと私たち夫婦は、近所を夜散歩した。
そんなことしたことなかったのに。
子供たちの背中を見て、「もうこんな光景を見ることはないんだろうな・・・これが最後かな・・」と思うと涙が止まらなかった。
現在7歳のあいこは、当然そのことは覚えていない。
あいこ、ごめん、あの時は、なんとか夫婦でやり直したけれど、今回はパパ逃げちゃったよ。。。どうにもできなかったよ。
ねえ、みいなとあいこは、大好きなパパとママの間に、何を感じていたの?