あいこの本音
子供にパパとの面会を中止したあと、私は子供の心の変化を見逃さないように、何度も声をかけた。
「パパに会いたいよね、電話してもいいよ。」
「会いたくてさみしくなったら、ママに気を遣わなくていいから、正直な気持ちをママに話してね、会いたいよね、大好きだもんね。おねがい、本当の気持ちを言ってね。」
自分はズタボロで、毎日泣いている。
でも、娘たちは一見平気そうだけれど、小さな心に傷を負った。
そこをフォローしなければ・・・ととても気を遣った。
感情豊かなみいなは、よく気持ちを話してくれた。
パパにも電話していた。
一方、あいこは、みいなが『パパがあいこと話したいって言ってるよ。』と電話を渡そうとしても、決して電話に出なかった。
「勝手に出て行ったんだもん。」
7歳、小学校1年生のあいこはそう理由を言った。
内心、私の気持ちを汲んで、そういっているのかな。とはわかっていた。
ある夜、寝る前、あいこに聞いた。
「あいこ、ママがパパとの約束、中止にしたこと、怒ってない?」
あいこがこくりと頷いた。
胸が締め付けられた。
あまり気持ちを表現しないあいこ。やっぱり、パパに会いたいよね・・・
最大の被害者は子供・・・
これは、私自身、両親の離婚で実感していることだった。