味方
東京の弁護士を紹介してもらった。
私と同年代のI弁護士は、広島の元同僚から紹介された私に、とても親切だ。
I先生は、経緯を伝えると第一声こう言った。
「このだんな、何がしたいんだろうね?もう、地獄行きの急行列車に乗っているのに!」
「え?先生、そうなんですか?」
「そーだよ、こんなことして、子供捨ててよ、調停起こされて、子供にも会えなくなって、一つ崩れると、一気にガラガラと崩れるからね、仕事もうまくいかなくなるし。」
こんな依頼者もくるわけよ、弁護するけれどね、もしだんなが俺のところに来たらまずいうね、『とりあえず、まずいよ、いったん戻れ』ってね。」
そうだよね、わかっていても、された当事者の私は、つらいばっかりで、被害者で、俯瞰で見れないのだ。誰が見たって、夫がしていることは不利なことは明らか。
心強い味方ができた・・・
私の気持ちを汲み、円満調停と婚姻費用増額調停を起こすことで決まった。
同時に、子供の面会はいったん中止。子供に会わせろと言ってきたら、子供の面会調停を起こして、と言いなさい。と。
よく考えてみればそうだった。夫の求めるまま、一度子供たちを夫に会わせていた。
子供たちも喜んだ。おかげで、こどもたちから夫の住所までわかった。
でも、どこに住んでいるかもわからない人に、子供を預けるなんて怖い。
今は入居したばかりだが、これから現在進行形の不倫女のものが増えていき、生活感が出たときに、子供によくない、とI先生は言った。
たしかに。
現に、みいなは「トイレットペーパーが花柄だったよ。」と教えてくれた。
花柄は普通のより高い。そんなの夫が買うわけがない。
話し合いもせず出ていき、私が怖くて話し合いができなかった、というのは嘘だ。
本当のことが話せないから逃げるしかなかったことくらい、「突然の別居」=「不倫」はどのサイトをみても、方程式で決まっている。
方針を決めた。子供たちは夫に会わせない。ルールを決めるまでは。
でもね、味方を得た私だったが、毎晩毎晩不安と裏切られた悔しさと、見えない敵、夫と不倫相手のことばかり考え、胸が押しつぶされるような日々を過ごしていた。
第一回の調停が決まるのはずっと先・・第一回期日は、弁護士を委任してから2か月後だった。苦しい日々。